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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第16章
ぺと、っと唇が張り付く微かな音。
視界に入る切れ長の瞳は、もう濁りに濁り、ただひたすら妹と己の怒張を食い入る様に見下ろしていた。
髪をまさぐっていたのとは違うほうの手がゆっくりと降ろされ、その先の長い指が濡れた薄い唇をなぞる。
下唇を辿るそれにうっすらと開いて応えた妹は、ぺろりとその指を舐めた。
途端に口内に広がるのは、兄の匠海だけの味。
自分が知り得る、たった一人の男の味――。
「しょっぱ」
べーと舌を出しておどけた妹は、それでもまた指を含んだ。
今度はその付け根まで、そして――。
「……っ こんな場所で。ああ、天国にいるみたいだ……っ」
掠れた喘ぎに追い立てられるように、それぞれの指で強弱をつけ、はち切れんばかりの竿を扱きあげれば。
「――っ!? で、出る……っ」
両の掌の中で愛らしく打ち震えた淫具は、まるで地響きを思わせるそれで吐精に向かう。
掌で受け止めようと思った瞬間、上から差し出されたティッシュの束に遮られた。
匠海の精通は長く、それもその筈、絶倫なこの男が目の前に妹という餌を数日ぶら下げ続けられればそうなるだろう。
乱れた息があらかた落着き、ゆっくりと退けられていく白い紙の塊。
しかし、ぷっくりと割れた鈴口に残るモノを確認したヴィヴィは、更に肉の棒を擦ってみたが出ず。
「……?」
思わず唇を添えて、吸い上げてみれば、ちゅるんと可愛らしい音を立てて口内に消えた。
ぶるりと身悶え震える、目の前の腰。
「……っ ヴィ、クトリア……っっ」
そう咽喉の奥から絞り出された喘ぎは大層悦さげで、その声だけで華奢な躰の奥が痺れた。
しかし、
「吐き出しなさいっ ヴィヴィ」
恍惚から一気に現実へと引き戻されたらしい兄は血相を変え、妹の口の前に掌を差し出してくる。
どんだけ口淫されたくないのか――若干呆れながらも、ヴィヴィは促された通りそこに吐き出した。
ぺろりと覗いた桃色の舌から垂れ落ちる、白濁した粘度の高い兄のもの。
「ああ、いけない子だね。どこでそんなことを覚えて……っ」
慾を搾り取ってあげたのに、まだまだ抑えられない様子の匠海は、机の下から抱え上げたヴィヴィを膝に乗せなおすと、受け止めるのを躊躇するほど押しつけの強い口付けを寄越していた。