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どこまでも玩具
第12章 晒された命
真実は時として残酷。
遠くで声がする。
類沢先生?
サイレンも聞こえる。
体が揺れている。
目は開いたり、閉じたり。
感覚が鈍く、世界が遠い。
俺は、今、生きてるのかな。
そう疑問になるほど曖昧な生の中、思い出すのは今朝からのこと。
先生、そばにいますよね。
俺は貴方に色々告白しなければならないことがあるんです。
もし良かったら……聞いてくれませんか。
意識は簡単に闇に落ちてゆく。
こないだ見たロープはそこにない。
もがきながら落ちるのも、無抵抗に落ちるのも、そう変わらないかもしれないな。
だから、何故か笑えてきた。
西雅樹。
きっと驚いただろうな。
でも、誓ったんだ。
あんたに類沢先生は殺させないって。
それを破ったあんたが悪い。
あんたが悪いんだ。