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どこまでも玩具
第3章 枯らされた友情

 「…うー…ぅぅ…」
 「学校には拘束具とか無いからさ、悪いねマスクなんかで」
 オレは白衣を脱ぎながら笑う類沢を睨みつける。
 「ナニ? その眼」
 ギシリ。
 類沢が片膝をベッドに乗せて、オレの髪を掴む。
 長く伸ばさなければ良かった。
 頭皮が剥げるんじゃないかって程の痛みを耐えて、睨み続ける。
 スッと目を細めて、類沢が手を離した。
 同時に頭が落とされる。
 ガンガン痛みが響く。
 「んー……乱暴な生徒への体罰って何が良いと思う?」
 オレはベッドの頭に固定された拘束を解こうともがく。
 「瑞希は言葉遣いが悪くてさ」
 手が止まる。
 その反応に彼はクスリと笑った。
 「体罰だからねって言ったら、そういう顔してたよ」
 ガキン。
 ガキン。
 「んんん!……ぅうんん!」
 「あははは。何言ってるかわからないし、それは簡単に解けないよ」
 長い前髪を撫でつけながら、類沢はオレを見下ろす。
 正直今の環境を考えたくなかった。
 ベッドに拘束された上に、口は塞がれている。
 下校時間は過ぎ、生徒はいない。
 教員も電気の消えた保健室は不審に思わないだろう。
 唯一の救いは紅乃木だ。
 カーテンの向こうの時計を見る。
 六時十分。
 あと五十分すれば紅乃木が助けに来てくれる。
 五十分耐えればいいんだ。
 「そうだね……お前はこれが入るようになってもらおうか」
 そう言って類沢が取り出したのは、コピー機のインクボトル。
 使用済みなのでインクは無いが、拳大の直径に寒気がする。
 「……んん」
 「あぁ、勿論こっちの穴に決まってるだろ?」
 ズボンを脱がされ、下着に手をかけられる。
 自由な脚で蹴りを入れようと思ったが、半端におろされたズボンが邪魔をして上手く動かない。
 困惑するオレに冷笑が降りかかる。
 「くく…だから言っただろう? ここには拘束具が無いからさ、なるべく代用品でやるんだよ」
 知ってたか。
 ズボンって意外に体の動きを封じるんだぜ。
 オレは自棄になって力任せに脚を振るが、膝を押さえられると無力と化す。
 「今からそんなに体力消耗したら三十分ももたないよ?」
 そして、彼は下着越しにオレのモノを掴んだ。
 「んんん!?」
 突然の刺激に全身が跳ね上がる。
 類沢はゆるゆると手を動かしてそれを扱いた。
 ランダムに刺激を与える指先に翻弄される。
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