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初恋のひと
第3章 理由
「就職して、一年経った頃、同窓会の話が出たんですよね。
俺、幹事だったんで、連絡取ったりして。
そしたら案内ハガキが返ってきちゃって、美鈴さんが離婚して間中連れて引っ越したっていうのを知ったんです。
で、友人辿って連絡して。
相変わらず、間中はいけ好かないやつでしたけど。
同窓会は無事終わって、二次会三次会ってなって、たまたま隣に座ったのが間中でした。
お互い背中向けて、他のやつと話してたんですけど、間中が一人暮らししてるって話になって、何となく耳に入ってきたのが、美鈴さんの話で。」
「私?」
「早く再婚してくれれば、老後みなくてすむのに。とか、父親の方に残りたかった。とか、言ってて、何かムカついちゃって。
母親だって頑張ってたんじゃないのか?って、つい口挟んだら、いきり立って
"夫の浮気癖くらいで離婚して、貧乏暮らしさせられた私の気持ちなんかわかんないくせにっ"
なんて吐き捨てるように言ったんですよね。
働いて育ててくれたんだろ?って言っても、父親の稼ぎが良かったから我慢すりゃいいのに、自分に魅力がないから浮気されて巻き添えになった私はいい迷惑だとか、めちゃくちゃで。」
「そんな風に…思ってたんだ…由香は…」
俺、幹事だったんで、連絡取ったりして。
そしたら案内ハガキが返ってきちゃって、美鈴さんが離婚して間中連れて引っ越したっていうのを知ったんです。
で、友人辿って連絡して。
相変わらず、間中はいけ好かないやつでしたけど。
同窓会は無事終わって、二次会三次会ってなって、たまたま隣に座ったのが間中でした。
お互い背中向けて、他のやつと話してたんですけど、間中が一人暮らししてるって話になって、何となく耳に入ってきたのが、美鈴さんの話で。」
「私?」
「早く再婚してくれれば、老後みなくてすむのに。とか、父親の方に残りたかった。とか、言ってて、何かムカついちゃって。
母親だって頑張ってたんじゃないのか?って、つい口挟んだら、いきり立って
"夫の浮気癖くらいで離婚して、貧乏暮らしさせられた私の気持ちなんかわかんないくせにっ"
なんて吐き捨てるように言ったんですよね。
働いて育ててくれたんだろ?って言っても、父親の稼ぎが良かったから我慢すりゃいいのに、自分に魅力がないから浮気されて巻き添えになった私はいい迷惑だとか、めちゃくちゃで。」
「そんな風に…思ってたんだ…由香は…」