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初恋のひと
第1章 再会
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それから度々、閉店間際になると結城くんは店にやってくるようになった。

雑誌を立ち読みした後、ほんの少し私と話をし、帰って行く。
その僅かな時間を、私は心待ちにするようになっていった。

美容院に行く回数が半年に一回だったのが二回に増え、気にもしていなかった指先の手入れもするようになり、離婚してから忘れていた『女』の部分を、少しずつ取り戻していくようになった。

そうして一年がすぎた頃。
街で風邪が流行りだした。

気をつけてはいたのだが、その日は朝から喉が痛く、夕方になるにつれ目眩がするようになった。

何とか仕事を終わらせ、二階の店主に報告をして、店を出る。

冷蔵庫に何もなかったのを思い出し、買い物して帰ろうと方向を変えた瞬間、激しい目眩がして思わず座り込んでしまった。

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