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初恋のひと
第2章 変化
「美鈴さん?」

聞き慣れた声が頭上から聞こえる。
美鈴さんと呼ぶのは今では一人しかいない。
頭を上げようとしても、力が入らない。

「ちょっ…大丈夫ですか?」

目の前に結城くんの顔が見えた。

「大丈夫…目眩がして…」

額にひんやりとした手があてられる。
気持ちよかった。

「熱あるじゃないですかっ」

焦ったような顔に、私なんかを心配してくれる人がいるんだなぁと少し嬉しくなった。

「送りますから、家どこですか?」

そう言う彼に、近くだからと断る。

「ダメです。途中で倒れたら俺が困ります。」

何度断っても引かない彼に根負けして、アパートの場所を教えた。
下着、干してたの片付けてたかな?と頭の隅で考えながら。

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