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初恋のひと
第2章 変化
アパートの二階、一番奥の部屋に半分抱えられたような状態で辿り着いた。

覚束ない手付きで鍵を開け、彼に礼を言おうとする。

「結城くん、ありが…」
「俺がこんな状態の美鈴さんほっといて帰るわけないでしょっ?」

何故か険しい顔の結城くんを見たら、昔の夫の姿と重なってちょっと怖かった。

竦んだように黙り込む私に、

「心配なんですよ、美鈴さんが。」

そう静かに呟く。

「結城くん……」

「美鈴さんが寝たら帰ります。だから…」

「………うん」

それ以上、何も言えなくて。
彼を部屋に入れた。

本当のことを言えば、嬉しかった。
寒気と目眩、頭痛が酷くて立つのもままならない状態で一人になるのは心細かったから。


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