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初恋のひと
第2章 変化
美鈴さんの部屋に入ると、かすかにいい匂いがした。

洗濯物が干してあるから、柔軟剤の香りかもしれない。

タオルの横に、ちらっと下着が見えた。

おばさんパンツじゃなくて、ドキッとした。

帰ってくるまでは、気丈に振る舞っていたけど、結構辛そうなのはわかっていた。

着替えもせず、ベッドに倒れ込むように横になった彼女が、猫のように丸くなる。

「美鈴さん、服、皺になりますよ?」

そう声を掛けながら、揺り動かした身体が熱くて、震えているのがわかった。

「ごめんね、迷惑かけて……」

「何言ってるんですか。気にしないで寝てください。」

毛布をかけ、布団をかぶせ、エアコンのスイッチをつける。

風邪薬はないかと部屋の中を見回すも、ぱっと見にはわからず、冷蔵庫を覗いてもこれといったものはなかった。

買いにいった方が早いな。
まだドラッグストア開いてるし。

ついでに着替えてくるか…。

「ちょっと買い物してきますから、鍵借りますね。」

美鈴さんの部屋の鍵を片手に、俺はドラッグストアへ向かった。


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