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指切り〜蝶々
第3章 疑心
百合はそれから弥七との一件を忘れようとするかの様に稽古に打ち込んだ。
今日もまたいつもの様に三味線を手に、音を合わせると僅に音が違うようだったーー
いつも三味線等は欠かさず手入れ等をしている筈だ…
怪訝に思いながら弦に触れた瞬間、痛みがあった。
「っ…」
ぽたぽたと紅い血が滴り、それを見ていた同じ禿である、小里が顔を覗き込む様にして、百合に話し掛けた。
「怪我なんて未熟な証拠だわ。」
歳は百合の1つ下になるが、何かにつけて百合に敵対心を抱いている小里は百合にとって苦手な相手だ…
今日もまたいつもの様に三味線を手に、音を合わせると僅に音が違うようだったーー
いつも三味線等は欠かさず手入れ等をしている筈だ…
怪訝に思いながら弦に触れた瞬間、痛みがあった。
「っ…」
ぽたぽたと紅い血が滴り、それを見ていた同じ禿である、小里が顔を覗き込む様にして、百合に話し掛けた。
「怪我なんて未熟な証拠だわ。」
歳は百合の1つ下になるが、何かにつけて百合に敵対心を抱いている小里は百合にとって苦手な相手だ…