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淫と乱
第5章 ドロドロ
ヤケに明るい緑色をした体色。
ヌメヌメとした光沢を浮かばせるその姿は、まるでダンゴ虫。
体長十センチ程度の大きさのソレは、彼女のアソコから這い出ると、体液の跡を床に着けて這い回る。
そんなのが、部室の床の到る所を這っていた。
明らかに部員よりも多い数。
少なくとも、一人が二回以上産み出している量。
こんな異様な光景。
頬ばかりか、Tシャツが肌に張り付く程、全身にイヤな汗を掻いていた。
もう、あたし一人がどうこう出来る状況じゃなかった。
「だ、誰か……きょ…教頭……校長………理事長………」
とにかく、偉い先生に報告する事だけが頭を占めていた。
部室の扉を僅かに開けた儘で、踵を返した時だった。
「おやおや、先生。授業中なのに何処へ?」
部室の中の光景に集中していた余り、背後の気配に気付いていなかった。
「ちょ、ちょっと退いてっ。急用なのっ!」
いつもの強い口調で言葉を吐き出す。
立ち塞がるように佇むソイツの横を走り抜けようとした。
「まぁ、待ってくださいよ」
そんなあたしの腕を容易く掴んだソイツ。
その口調は、焦っているあたしの雰囲気を読む事も無く、物静かなものだった。
「ちょ、急いでるんだってばっ!」
しかし、ガシッとあたしの腕を掴んだ手は離れない。
「落ち着いて…話…しましょうよ」
「だ、だから、それどころじゃ……えっ?………な…な…に………」
ソイツの声に耳を傾けるんじゃなかった。
口を開いていれば、あたしの意識は瞬く間に無くなった。