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淫と乱
第7章 グイグイ
思わず間が抜けた声を洩らした目の前で、胸とアソコを弄られてよがり狂っていた女の姿がブレだした。
「ククッ…」
瞬時に悟った。
まさか、たかが付喪神ごときに騙されるとは思わなかった。
「もぉ…つくちゃぁん……もっと早くさぁ………」
ブレる女の姿を透かして、同じ姿をした女がカーテンの向こうから出て来た。
露わになっている、でかい胸に残る包帯の跡。
内股に歩く姿は、さっきまでよがり狂っていた女に間違いなかった。
「…そんな事よりさっさと………」
「そんな事って……アソコにあんなミミズみたいの挿【イ】れられちゃったんだけどぉっ?」
「クククッ……」
危機感の無いやり取りを聞かされて笑いが止まらない。
ここまでバカにされたのは初めてだった。
それでも、不思議と怒りが込み上げてこない。
「…とにかく、早く逃げるブルよっ」
「えっ!? ちょ、つくちゃんっ」
フヨフヨと浮いている携帯の言葉に戸惑う女。
さっきまで喘いでいた女の姿は消えている。
「…あっちが本体だったか」
付喪神とやらに一杯食わされた。
フヨフヨと浮いて部屋を出ていく携帯の後を追っていく女。
でかい胸とスカートの裾から尻を覗かせながら慌てて出ていく。
最早、追うつもりはない。
目を欺けた褒美に、今回は見逃す。
それに、準備は整った。
「…早く行くブルよぉっ」
「ちょ、待ってよつくちゃぁんっ! まだ、なんかアソコに………」
「……っちなら………ブルっ」
「…………でよぉっ」
遠ざかっていく二つの声。
「…こっちも…退散するか……」
いつまでも此処に居る必要もなかった。