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淫と乱
第15章 露天風呂
男湯の賑やかさに後ろ髪を引かれながら、二人の傍に近付く。
「でも…異変があるからって………」
「私たちに何が出来るんでしょうねぇ」
お母さんに先に言われた。
「そ、それは………」
「そうなんだけど………」
二人も苦笑を浮かべるだけ。
「あ………」
誰もつくちゃんの事に触れない事を思い出した。
「え、えっと………」
三人の視線に思わず言葉が詰まる。
たいした事じゃないと思いながらも、期待を込めた美奈ちゃんの視線に口を開くしかなかった。
「み、みんな………。真希の携帯が浮いたり…勝手に話してたりしてるの見てるけど………。
何で…驚かないの?」
「あらあらぁ。前からそうだったじゃない?」
「何を今更言ってるんだ、霧島」
「アンタ………頭まで異変にやられちゃった?」
「えっ!?」
三人の言葉に絶句。
絶対に何かやったろ、つくちゃん。
普通の携帯だった、使い込んだ真希の赤い携帯。
付喪神が憑いた時点で、何かの歯車が動いた気がする。
「そんな事より、今は………」
「あらあらぁ。それよりもぉ………」
「ちょ、恭子姉っ!? それよりじゃなくて………」
三人の会話が耳に入ってこない。
つくちゃんに対する懸念が頭にこびりついてる。
「あっ………」
思考に頭の中をグルグルさせてると、また下腹部の奥がズキッと疼きだした。