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淫と乱
第4章 ブルブル
 
「………?」

 何度も絶頂を迎えて、力が入らないカラダ。

 今まで突き出していたお尻が落ちて、両手も自由になった。

 ゴトッと音をたてて、アソコから抜け落ちた真希の赤い携帯。

「…つく…ちゃん?」

 フヨフヨと浮かばない携帯を爪先でツンツンと突いても反応は無かった。


…今までのは…夢?


 夢にしてはリアル過ぎる。

 リビングに漂うイヤらしい匂いと、床の汚れが現実だったと思わせる。

「…んー?」

 小首を傾げたところで、分からないものは分からない。

 ただ、今やらなきゃいけない事は分かる。

「…はぁ…」

 見回せば、大量の体液で汚れたフローリングの床とソファー。

 濡れすぎるにも程があると思いながら、掃除を始めようとした時だった。

「……充電……切れ………勝てない……ブルっ」

 途切れ途切れに甲高い声が携帯から流れてきた。

 床に転がる携帯から目が離せなかった。

「…ふぅん…」

 再び静かになった携帯を見ながら、知らないうちに真希の口角は上がっていた。
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