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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第14章 特別な日
「もっと」と聞こえた。
確かに言った。
私は口を離した。
彼女は今まで、自分から何かの行為を私に求めたことはなかった。
普通の時も言動はいつも控えめだった。
私は彼女を見上げた。
彼女は目をつむり、眉を寄せ、口を半開きにしていた。
「もっと……なに?」
彼女は目をつむったまま答えた。
「もっと……奥に……欲しい……」
私はためらわずに、スラックスのベルトに手をかけた。
上半身を屈めたままの窮屈な体勢で、脱いだ。
膝まで下ろす。
下着もだ。
私のものは、もうすでに十分すぎるほどの硬度になっていた。
彼女に覆い被さる。
動きづらい。
脚を広げられなくて姿勢が安定しない。
片脚だけ脱いだ。
もう一度のしかかる。
しかし、今度は彼女の腰が、シートの折り目、可動部分に収まっていて、腰を退いている形になっている。
挿入できなかった。
私は彼女に言った。
「後ろ向きになって」
彼女はうつ伏せになり、シートの上に膝をつく。
私の前にお尻が突き出された。
彼女の腰をつかみ、引き、もっと低い位置にした。
自分の硬く上を向いたものに手を添え、彼女の入り口を探る。
濡れた深い切れ込みを見つけると、そこに先端を押し込んだ。
「はうんっ……」
彼女が一度仰け反り、すぐ下を向く。
私はゆっくりと腰を突き出した。
中はすごい抵抗だ。
これが彼女の中なのか……?
行きつ戻りつを繰り返しながら、その抵抗の中を徐々に進む。
彼女があえぎながら、首を何度も縦に横に揺らす。
根元までやっと入った。
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