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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第14章 特別な日
ほら、望み通り奥まで入れてあげたよ……。
「はああっ……」
そこからゆっくりと抽送を始める。
「はあっ……ああっ……ううんっ……」
私の動きに合わせ、彼女から声が漏れる。
その日は不意に訪れたのだ。
今日は、その日のつもりではなかった。
特別な日ではなかった。
なぜこうなったのか?
わからない。
ただ、今まで彼女が口にしたことがない私への望みを、叶えてやりたいと思っただけだった。
私は思いがけない展開に戸惑いながらも動き続けた。
「はあぁぁ……気持ちいい……」
吐息と一緒に声を出す。
彼女は「気持ちいい」と何度も繰り返す。
彼女は羞恥心から得る精神的快感より、肉体的に直接与えられる快感を選んだのだ。
女性は心を許せる相手を見つけると、自分の欲求に貪欲なる……。

明るかった。
彼女の肛門まではっきりと見えた。
月は高くなり、小さくなった。
しかし、周りを照らす威力は衰えなかった。
このまま私も快楽に身をゆだねたかったが、時間が気になっていた。
もうそろそろ帰らねばならない時間のはずだった。
いつもより遅くなっている。
二人とも家族に嘘をついてここにきている。
私は射精しないまま彼女から抜いた。
彼女が膝を折り、ヘたり込む。
彼女の後ろから寄り添い、耳元につぶやいた。
「もう帰らないと……」
彼女は無言でうなずいた。
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