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宵闇
第9章 溶ける
……そっと目を開くと、葉月くんが私を見てた。
目が合い、跳ねた心臓。
葉月くんの長い前髪の間から微かに覗く切れ長の瞳が、なんだかすごく色っぽくて。
「あ……」
胸がたまらなく苦しくなって、思わず葉月くんの胸元を押してしまった。
唇が離れ、私は息を吐きながら、下を向く。
……どうしよう。
そしてまた、戸惑いが。
だって、葉月くんとキスなんて。
ほんとに……ほんとにいいの?
このまま続けてしまっていいの?
どうしよう。
私……私────。
「琴音ちゃん、顔あげて」
葉月くんの声がする。
「こっち向いて?」
急かすことなく、柔らかに願われる。
葉月くん……。
きゅうっと胸が苦しくなる。
その声を無視するなんて私にはできない。
……静かに顔をあげると、途端に唇がまた囚われた。
今度は、さっきよりももっと激しく、情熱的な口づけ────。