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宵闇
第9章 溶ける
手を引かれ向かった、部屋の奥のシングルベッド。
なんだか生々しく、私の目に映る。
「スカート、脱いで?」
手を離され、促された私は少し躊躇った。
本当にこのまま進んでいいのかと一瞬そんな思いが頭をよぎったものの、手はいつのまにか勝手にスカートのホックを外していた。
それでもファスナーまでは下げられず、その状態のまま、葉月くんをそっと盗み見る。
葉月くんはシャツの袖のボタンを外して、手首の時計も外していた。
かちゃ、とテーブルにそれを置く音。
そしてまくり上げた袖。
白い手首が見えて、なぜだろう……私の中がざわめき出す。
葉月くんは目を閉じ、前髪を一度かきあげた。
形のいい額があらわになり、またすぐに隠れる。
ゆっくりと、立ち尽くしたままの私に流してきた視線。
慌てて目を逸らすと
「……僕が脱がそうか」
そう言われ、小さく頷いた。
すごく、気分が高まっている。
なんだか、身体が火照ってる感じさえした。
どきどきが止まらない。
本当にいいのかという躊躇いはやっぱりあったけど、先を期待する気持ちがそれに勝っていることは確かだった。
葉月くんの唇を、指先を、もっと知りたい────。
だって、自分の身体があんなふうに反応するのなんて初めてだったから。
今このときも、じくじくと身体の奥が疼いているような、そんな気がする。
……何なんだろう……この感覚は。