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宵闇
第3章 深まる


ママが、再婚した。


パパは私が赤ちゃんの頃に亡くなったらしく、正直顔も覚えていない。

ママは、看護師の仕事をしながら私を育ててくれた。
私も、ママの手助けになれるようなことはすすんでやって、ふたりで協力しあいながら13年間暮らしてきた。

私が中2のとき……再婚できればいいなと思っている人がいるとママに打ち明けられた。
でも、私が反対なら籍は入れない、と。

試しに同居をすることになったとき、その人がママにふさわしくない人ならちゃんと反対しなくちゃ、と最初は思っていた。

けれども、おじさんはとてもいい人で……ママにも私にも、すごく優しかった。


そして、おじさんには高校生の子供がいた。
桜井葉月くん──切れ長の瞳がとても印象的な人。


最初、ちょっと怖い人かな? なんて思ったけど、実はすごく優しい人で、この生活になかなか慣れなくて緊張していた私の気持ちをいつも気遣って、声をかけてくれた。
ママに対する態度もとても丁寧で、穏やかで……それがすごく嬉しかった。


ここならママはきっと幸せになれる────。


そんなふうに私の気持ちはごく自然に再婚に賛成の方へと傾いていき、そうして私たちは正式に家族になったのだ。



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