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宵闇
第9章 溶ける
……だめ。
もうだめ、無理……!
──さらわれる。
そう思った瞬間に、それはきた。
「……ん────っ!」
貫いた、その感覚。
ああ────……!
「……っは、あ……は……っ……!」
知らないうちに息を止めていたらしかった。
あんなに力が入っていた身体が一気に解放されたかのようになる。
は……と、口から出るのはもう、荒い呼吸だけ。
……何、これ。
目を閉じたまま、その余韻に浸る。
すごい……気持ちよかった。
身体がふわっと浮いたみたいに感じた。
……何これ────。
「……いけたね」
頭を撫でられてそっと目を開くと、葉月くんが優しい目で私を見下ろしていた。
「……はづき、くん……」
何これ……と頭の中の言葉を口にすると
「気持ちよかった?」
そう聞かれ、ゆっくりと頷く。
「……だから相手次第だって」
葉月くんが微笑んで、また私の唇にくれた、優しいキス。
「ん……」
離されたとき、私の唇はそれを残念がってついていってしまった。
それに気づいたのか、私の頭を撫でながら葉月くんが囁く。
「もっとしたいの?」
頷いて、力のまだよく入らない手を葉月くんに伸ばした。
うん……もっと。
もっと、そうされたい────。