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宵闇
第10章 葉月
思い悩み続ける彼女を、そこから解放してあげたいと思った。
いいとかだめだとかそんなことを考えるより先に身体が動いた。
柔らかな、琴音の唇の感触────。
彼女の戸惑い。
その先への躊躇い。
そのどれもが僕を止める理由にまではならなかった。
琴音の抵抗は、それを抵抗と呼ぶには儚すぎるそれで……程なく、すべてを僕に委ね始めた。
何度も何度も想像した。
琴音の唇を。
彼女の身体を。
滑らかな白い肌。
手のひらに吸い付くようなその質感。
控えめながらも形のいい柔らかな胸。
僕の手に……唇に敏感に反応して先を尖らせ、仰け反りながら、切なげに彼女が漏らす吐息。
それは今まで聞いたことのない琴音の声。
とても悩ましく、色っぽくて。
……それでいて可愛らしくて────。
濡れない、という言葉はどこから出てきたのかと思うほど、口づけと胸への愛撫だけでぬるりと溢れた蜜。
敏感なその突起は自分で触れたことすらないのか、セックスの経験があるはずなのにまったく開発されていない身体が、琴音の言葉を裏付けていた。
……少しさわっただけであんな反応を見せるほど、琴音は本当はこんなにも感じやすいのに──と、あらためて、自分の欲だけを優先した前の男への負の感情が沸き上がる。