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宵闇
第10章 葉月
……次なんて、きっとない。
だから、このまま。
そう、最後まで────。
愛撫に悶える琴音の姿はあまりにも刺激的すぎて、だめだ、という理性と、でも、という欲望が葛藤していた。
していた、けど────。
……わかっている。
自分には本当はそんなことはできない。
そんな……欲に負けたような前の男と同じようなことはできるわけがないことぐらい、よく──わかっている。
琴音を哀しませることだけは、絶対にできない。
その思いがあったからこそ、今までずっと悩んできた。
そう……彼女の信頼を僕は裏切れない────。
だから、すべてをこの目に……唇に、指先に焼き付けようと、心の中で何度も想いを呟きながら、ただひたすらに彼女の身体を愛し続けた。
……好きで。
もうどうしようもなくなるほど、たまらなく彼女が好きだから。
なら、せめてと──僕はもう、そうすることしかできなかったんだ。