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宵闇
第11章 惑い
まだ完全にはっきりとしない意識のままで寝返りを打った。
そっと目を開くと、見慣れないものが視界に入る。
あれ……と戸惑い、瞬きを繰り返した。
……えっと……ここって────……。
「────!!」
考え出した瞬間に思い出した記憶。
慌てて上半身を起こすと身体にかけられていたタオルケットが落ち、あらわになった──自分の裸。
「っ……!」
すぐにタオルケットを引っ張りあげ、胸元を隠した。
それから室内を見渡す。
「葉月くん……?」
ここは間違いなく葉月くんの住んでるアパートの部屋だ。
終電に乗り遅れた私は昨日、ここに泊めてもらうことになって。
……そして、そのあと────……。
葉月くんからされたそれを思い出しそうになって焦り、頭を振ってそれ以上記憶を辿るのをやめた。
タオルケットを身体に巻き付けた状態でベッドから降りる。
葉月くん、どこか行ったのかな……。
いる気配が感じられないことを少し心もとなく感じたとき、テーブルの上に置かれてあるものに気づく。
近付いて確認すると、食事と鍵──そして、メモだった。