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宵闇
第11章 惑い


……しばらくして戻った呼吸はずっと激しいままで。
力の抜けた身体ではあはあと息をしながら、見つめた葉月くんの部屋の天井。

そのまま、興奮がおさまるまでぼうっとしていた。
余韻に浸りながら。


──いっちゃった……。


気持ちが落ち着いたあと、その事実に急に恥ずかしくなる。
自分の身体をこんなふうにさわるとか──まさか、私がするなんて。
昨日……葉月くんとそうなるまで、そういうのは好きじゃないって思ってたはずなのに。
……しかも葉月くんとのこと想像して、だなんて────。


「……っ!」


冷静になるとほんとに恥ずかしい。
私なにやってるんだろう──恥ずかしすぎる……!


思わず枕を抱き抱え、ばたばたとしばらく悶えてしまった。


──でも。


「……気持ちよかったな……」


言葉にした、本音。
うん、とあらためてそのことを思う。


……よかった。
私、不感症じゃなかった。
ちゃんと濡れたし。
何より、気持ちいいって思えた────。


ほっとした途端、こみ上げてくるものがあった。


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