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宵闇
第11章 惑い
「琴音、合コン行かない!?」
「合コン?」
大学のカフェテリアでゆっくりコーヒーを飲んでいた私にかけられた言葉。
その内容に、うーん……と思わず考え込む。
「合コンかあ……」
今までも何回か誘われたことはあったけど、そんな気分にはずっとなれなくていつもすぐに断っていた。
「女の子がひとり足りないんだよね。
……まあでも琴音はやっぱり行かないか」
いつも来ないもんね、と半ば諦めかけた口調でこぼす加奈。
少し考えてから、私は言った。
「……んー。行ってみようかな」
「──え!?」
驚いたような加奈の表情に
「なにその顔……誘ってきたの加奈の方でしょ?」
と、苦笑しながら答える。
「そうだけどっ……!」
ほんとに!? と、なぜか私の両手をとる。
「もしかしてなに!? 彼氏作る気にやっとなれたとか?」
「……っていうか……」
──ちゃんと、まわりに目を向けなくちゃ。
そんなだからきっと葉月くんにこんな感情抱いちゃったりするんだ。
もともと、私は男の子たちとそんなに仲よくしたりするタイプではない。
葉月くんと、高校のときからずっと仲がよくて気心の知れてる村上くん──彼氏という存在を必要としていなかった私には、異性の存在はそのふたりだけでじゅうぶんだと感じていたし。
……でもある意味、それは狭すぎる世界。
そんな中で、いつも私の支えになってくれてた葉月くんに対して好意以上の感情を抱いてしまうのは当然と言えば当然なのかもしれないから。
だから──うん、とその自分の考えをあらためて肯定する。