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宵闇
第11章 惑い
それからしばらくは葉月くんと会わずに日々を過ごした。
メールや電話のやりとりは何回かあったけど、直接会うことは私が避けていたというか……葉月くんへのこの気持ちが落ち着くまではそうしたほうがいいのかもしれないと思ったから。
それでも、考えるのは結局いつも同じこと。
会わないでいるのに、葉月くんの存在は頭の中からはちっとも消えてくれない。
むしろ、よけいに考えてしまってるような気さえする。
その想いがなくなるのはいつだろう、いつになったらこの邪な感情は消えるんだろうと……終わらない自分への問いかけ。
加奈から誘いがあったのは、そんなふうに葉月くんへの気持ちをもて余していたときだった。