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宵闇
第13章 衝動


動揺してしまい、視線を合わせたまま黙り込むしかできない私に、葉月くんはなおも言葉を浴びせてくる。


「彼に聞いたんだ」


彼────?


「え?  ……村上くんに?」


……何で?
葉月くんと村上くんって知り合いだっけ?
え。意味が──意味がわからない。


「さっきまで、彼と会ってた。
会社に電話があって、話がしたいって言われたんだ」


話、って──え?
……待って、それって────。


「そこで、琴音ちゃんと別れたって聞かされて」

「……待って」


葉月くんの言葉が、ぐるぐると頭の中を回る。
理解できないうちに、次の理解できない言葉が次から次へと私を襲ってくる。
ちょっと待って、って──そればっかりしか思えない。考えられない。


「好きな人がいるって言われて振られた、って────」

「待ってってば!!」


たまらず、声に出して遮った。


待って。待ってよ──村上くん何を言ったの?
葉月くんにどこまで言ったの?

……ねえ、どこまで知られてるの────!?


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