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宵闇
第13章 衝動


葉月くんのアパートに着いた。

車を降りると、運転席から回ってきた葉月くんが私の手を握って無言で歩き出す。

中に入ってもその手は繋がれたまま。

鍵と鞄をキッチンのテーブルに放り投げるように置いた葉月くんは……そのまま奥の、あのベッドのところまで私を連れて行った。

さっきの買い物袋が、ベッドのサイドテーブルに無造作に置かれる。


葉月くんが、振り向いて私を見た。
手が離された次の瞬間、私はぎゅっと抱き締められた。
耳元で、はあっと深く吐かれた息。
それだけで身体がびくびくと反応してしまう。


「……やっと琴音にさわれる」


吐息混じりに呟く葉月くんの背中にたまらず両腕を回した。
抱き締め返す。ぎゅっと力強く。


……どうしよう。
幸せすぎて、どうしたらいいかわからない。

葉月くん。
葉月くん……すき。

だいすき────。


「……っあ……!」


突然、耳にぬるりとした感触が走った。
びくんと身体が跳ねる。


「あ、っ……」


葉月くんの舌先が、耳を這う。
ぴちゃっ、と音がする。


「んっ……ふ……」

「……琴音」


ぞわぞわっとして思わず首をすくめると、葉月くんは指先を私の髪のあいだに差し入れ、そのまま私を仰向かせて露わになった首筋に唇を押し当てた。


「葉月く……あ……」


ちゅっ、と音を立てながら、何度もそこを愛される。
されるがままの私は唇だけじゃなく……至近距離で感じる大好きな葉月くんの匂いと、葉月くんが動くたび肌を撫でる髪、そして背中をゆっくりと辿っていく指先の感覚に、だんだん身体に力が入らなくなっていくのがわかる。


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