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宵闇
第13章 衝動


「……琴音」


やがて、不意に名前を呼ばれ、ゆっくりと目を開けた。
その途端に、唇へと辿り着いた葉月くんのそれを、受ける。

ちゅっ、と音をたてて繰り返される軽い口づけ。

口づけたまま私の唇は吸われ、舌先で、つつ……とかたちをなぞられる。

再び目を閉じ、その感覚に集中した。


「舌、出して……?」


葉月くんが囁く。


舌……?


目を開くと葉月くんが私を見ていた。
見つめ返しながら、こう……? と言われたとおりに口を開いて少し出す。

……ぴちゃっ、と。
葉月くんの舌がそこに触れてきた。


「ひゃ……!」


びくっ、と思わず目を閉じてひいた舌。
でも葉月くんが


「そのままだよ」


そう言って、また私に促してきた。
そうっとまた、葉月くんを見る。
切なそうに細めたその目にどきんと跳ねた心臓。


……葉月くんの目って……なんであんなに色っぽいんだろう────。


「琴音」


再度促され言われるがままに舌を出すと葉月くんの舌が、また。
絡ませるようにちろちろと……私の舌を愛撫する。


「んっ……あ……」


息が漏れる。
溢れてくる唾液が零れ落ちそうになり、引こうとしたときだった。
それを許さない葉月くんが舌で私の舌をとらえながらそのまま激しく唇を重ねてくる────。


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