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第13章 衝動

「琴音のこと大事にしたいからね」


それでも無反応な私をまたのぞき込んできて


「……あれ、違う？　そのことじゃなかった？」


そう聞いてくるから、ううん、と首を振った。


「違わないけど……」

「うん、けど？」

「……その……それ見たら、私……葉月くんとほんとにその……しちゃうのかな、って思って。
そしたら急になんだか……」


避妊具を目にしてその生々しさに恥ずかしくなってしまった自分。
私はこれから葉月くんとそういうことするんだ──されるんだ、って……この前を思い出して、また、頬が熱くなる。


「……そうだよ？」


肯定する葉月くんの声。


「今日はこの前みたいに途中でやめるつもりなんてないから」


きっぱりと、告げられた。


「……それとも、やっぱり嫌？」


反射的にぶんぶんと首を振る。


いやなんかじゃない。
いやなわけない。
……私だって葉月くんにもっといっぱい触れたい。
そしてもっといっぱい私をさわってほしい────。