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宵闇
第13章 衝動


やがて、ごめん……と葉月くんが呟く。


「琴音としてると思ったら幸せすぎて……気持ちよすぎてあまり持たなかった」


私の首筋に顔を埋めてそんなことを言うから、そのまま葉月くんをぎゅっと抱き締めた。


「……うれしいよ?」

「琴音……」


葉月くんからも、ぎゅっと返される。


「……あーもう。ほんと可愛い……っていうか可愛すぎるんだよ琴音は」


だから全部琴音が悪い、と……どこか拗ねたようなそれはとてもくすぐったい言葉で。
本当に幸せで、満たされている自分を感じる。


……ああ。
セックスってこんなにいいんだ、って──そんなふうに素直に思えた。


葉月くんは私に謝ってくれたけど、でもそんなの全然問題じゃない。
好きな人のを受け入れる、それだけでもうじゅうぶん気持ちよくて幸せで。
私のなかに葉月くんがはいってるってだけで……胸がいっぱいになった。

こんな気持ち知らなかった。
こんなふうになれるなんて思わなかった。

好き、って気持ちが身体を重ねて、なんだかもっと深いところまでいったような────。


……愛おしい。

葉月くんが好きで……たまらなく、愛おしい。


「琴音?」


黙ったままの私を心配したのか、葉月くんは私の首筋から顔を離し、見下ろしてきた。


「どうかした?」


んー? と、勝手に笑ってしまう口元で


「……幸せだなって思ってただけっ」


そう告白し、葉月くんの胸元に頭を擦り寄せた。


「ははっ……! くすぐったいよ琴音!」


葉月くんが笑うとその振動がまだはいったままの私のなかにも響く。
思わず反応した身体がびくっとなった。
ん……! と息が漏れ、そのまま葉月くんにしがみつく。


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