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宵闇
第13章 衝動
「あ……ごめん」
……ずるっ、と。
それが抜かれるときの、独特の感覚。
葉月くんは、使用後のそれの処理を終えると、私を左側を上に横にして。
自分も横になり、ぴったりと身体を合わせるように背後から私を抱きしめてきた。
「こっち向いて?」
その言葉に首を後ろに向けると、そのまま口づけられる。
「ん……」
少し体勢的に苦しい。
でもそれがなんだか甘い疼きを生む。
「琴音……」
離された唇から囁かれるのは私の名前。
葉月くんが呼んでくれるだけで、なんだかその名前が特別になったみたいな気さえする。
そんな幸せな余韻に浸る中────。
「身体、大丈夫?」
そう、聞かれる。
うん、と頷いて
「……っと、その……気持ちよかった、です……」
恥ずかしかったけど、大事なことだと思ったからちゃんと伝えた。
「だったらよかった──です」
そしたら葉月くんもそんなふうに返してくるから、おかしくなってふたりで笑い合う。
不意に私の身体の前へと伸ばされてきた腕が、私の手に重なった。
「でも最後……きつかったでしょ」
ごめんと耳元で謝られ、首を振って答える。
「……っていうか……なんだかうれしかった」
「え? そうなの?」
不思議そうに聞き返され
「だって葉月くんだから」
その理由を口にする。
「大好きな葉月くんにされたことだから────」
なんかもう嬉しくてたまらなかった、と続けた言葉に、抱き締めてくれているその腕の力が強くなる。