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宵闇
第13章 衝動
「あ、あっ……だめ……」
いく。いくから──と独り言のような呟きが勝手に漏れてしまった。
ん……? と、聞こえなかったと言わんばかりに耳に寄せられた唇が、ちゅくっ、といやらしく音をたててそこを舐めてきて────。
「ひ……ぅうんっ……!」
……その後押しでまた達してしまい、目を閉じたままその気持ちよさにひたすらに浸る。
ひくひくとそこが葉月くんの指を締めつけているのを、とろけた頭の中で確かに感じながら。
……やがて、抜かれた指。
まだ荒い息は治まらず、力が入らなくて動かせない身体のままに横たわっていることしかできないでいた。
それでも、身体が離れた感覚にそっと目を開ける。
葉月くんがサイドテーブルへと伸ばした手。
箱から避妊具を取り出していた。
……あ。
これから挿れられるんだ────……。
与えられ続ける快楽の後遺症なのか思考はうまく働かないのに、それに気づいたとき、確かに胸が高鳴ったのがわかった。
準備をした葉月くんが私の身体を支えながら横向きに戻す。
「大丈夫?」
頷くと、そのまままた私の背中に胸を重ねるように、ぴったりと身体をくっつけてきた。
「……腰、もう少し突き出せる?」
ん……と、言われた通りにした。
何を考える余裕もない。
ただ、葉月くんの言葉に素直に従いたかった。
「いい子だね、琴音」
子供に言うようなそんな言葉なのに、たまらなく胸が……身体が疼く。
今から葉月くんに挿れられるんだ──そう思うと、待ってたものがやっともらえる期待と、これ以上せめられたらどうにかなってしまうんじゃないかという不安とでよくわからなくなってくる。
……あんなにいやだったはずのセックス。
なのに葉月くんが相手だと、こんなふうになっちゃってる自分も……もうよくわからない。