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宵闇
第15章 溺れる


「……おねがい……はづきく……っ……」


ん……? と拭われた頬。


「焦らされるの、もう……や……」


息も絶え絶えに訴える。


「……我慢できない?」


その言葉に目を開けてこくこくと何度も頷く。


「……ちょっといじめすぎちゃったかな」


葉月くんが苦笑しながら、ごめんね、とこぼした言葉に心底ほっとした。
ちゅっ、と口づけられ、きっともういかせてもらえる──そんな甘い期待にどくどくと胸の鼓動が早くなる。
……そこもひくひくと悦ぶように動いた。


「……琴音、締めすぎ」

「んっ」


くちくちと動かされ、じんわりと広がる気持ちよさにまた勝手にひくつくそこ。


「抜けないんだけど」


その言葉に、え……と彼を見つめると


「ほら、緩めて?」


そんなふうに促される。


「……抜いちゃうのっ……?」


そんな、だって。
だってやっといかせてもらえると思ったのに────。


「やぁっ……!」


もうおあずけはいや──首を振って葉月くんに訴えた。


「ね、して……おねがい……」


その目に縋る。


「大丈夫。ちゃんとあげる」


そう言いながら宥めるように頬を撫でてくる葉月くんが、ずっ……ととうとう指を抜いた。


「あぁん……!」


その刺激にさえ、じわじわと侵される。
葉月くんはそのまま私から離れた。
う……とひくつく身体を抑えるように身体を横に倒し、自分で自分を抱き締める。
いく寸前まで高められていた身体。
体内で渦巻いている熱がじくじくと奥で燻ったまま、全身をひどく疼かせてくる。


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