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宵闇
第15章 溺れる


単調なリズムから始まったそれ。
慣れてきたのを察したのかだんだん緩急がつけられていく。
入り口付近での小刻みな抜き挿しが続いたかと思うと、突然奥までぐっと入り込む深いひと突きをされる。
目を閉じて葉月くんの動きに素直に身体を委ねた。
されるがままの私の身体。心も激しく翻弄されていく。


「は……あんっ、ん……ああ……っ……!」


……ああ。だめ。
深く……深く溺れてしまう────。


そんなふうに、思った。


葉月くんとするセックスは、どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。
どうしてこんなに心底幸せな気分になれるんだろう。

どうして────。


「……き」


無意識のうちに言葉が漏れていた。


「はづき……く……好き……い……」


好き。
葉月くんが大好き。


だからなの?
だから私の身体はこんなふうになるの?
身体を合わせたい、繋がりたいという……そんな欲が生まれるの?

好きな人と、ひとつに。
誰よりも近くで。
触れるよりも、さらに深く。
……そう願ってしまうの?


葉月くんが好きすぎて、抱かれていると時々自分の気持ちがコントロールできなくなることがある。
いっそこのまま……ひとつに繋がったまま永遠に終わらなければいいのに────。


そう思った途端、胸が苦しくなった。
いつの間に涙が滲んでいたのか──動きを止めた葉月くんが身体を倒してきてそれを拭う。
そのまま私に口づける。
優しく、何度もそうしてくる。


「どうしたの……?」


説明のつかないそんな感情は、けれど言葉になんてできなくて。


「好き……」


ただ、それしか言えなくて────。


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