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宵闇
第16章 囚われる
ん……と寝返りをうつと触れたもの。
無意識に頭を擦り寄せた。
ああ……あったかい……。
なんだかいい匂いもする。
たまらずぎゅうっと抱きついて、手のひらでそのあたたかさを撫でる。
「ははっ! くすぐったいよ……」
……え……?
まだぼんやりしたままの頭の中に入ってきた柔らかな声に、ゆっくりと目を開け、声がした方を見上げた。
「……はづきく……ん……」
私を見つめている優しい目。
葉月くん……私の大好きな人。
「ん?」
そして自分が撫で回しているのは彼の裸の胸元だとようやく気づき──一気に目が覚めた。
「は……葉月くん……!」
身体を起こすと、はらりと肩を滑り落ちた布。
え……と見下ろした自分の身体も裸だった。
「ひゃあっ……!」
咄嗟に葉月くんに背中を向け、シーツを胸元に手繰り寄せる。
「おはよう、琴音」
葉月くんが起き上がる気配。
「なんでそっち向くの?」
耳元で声がした直後、背後から抱き締められる。
「ひゃっ……!」
優しい拘束と共に強くなった葉月くんのにおい。
ああ……と一気に身体から力が抜ける。
そのまま、彼にもたれかかった。
首筋に唇を押し付けられ、たまらず声が漏れる。
「や……んっ……くすぐったぁい……」
うん、と呟きながらのそれは、何度か続いた。
それだけで、身体はもちろん──心も蕩けていくようだった。