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宵闇
第16章 囚われる
「……ねえ、琴音」
「ん……何……?」
「昨日のこと──ちゃんと覚えてる?」
「……え?」
昨日のこと。
「あぁ……うん……」
曖昧な言葉を返しながらも、頭の中に次々とよみがえってくる記憶。
……なんかいろいろとすごかったよね、うん。
顔が熱くなってくる。
その火照りは身体にまで広がる。
「しばらく放心状態になってたから、ちゃんと覚えてるか心配だったけど────」
「……っ」
「覚えてるんだね?
……よかった」
前に回されている手が、胸の谷間に触れた。
微妙な力具合で、つつ……と上下に往復する。
「あ……っ」
触れるか触れないか、それぐらい微かな感触。
なのに気持ちいい。
勝手にびくびくと、身体が反応するぐらいに。
「琴音……すごくいやらしくて、すごく可愛かった」
指が、胸へと移る。
乳首のまわりをそうやってくるくるとなぞる。
「は……だめ……」
思わずその手を制止すると、葉月くんが何か言いたそうに私の顔を背後から覗きこんできた。
どこか不思議そうな……不満そうな表情。
「あ……だって朝だしっ……その、明るいし……!」
「だめ?」
こくこくと頷くと
「……そっか。残念」
葉月くんはそう呟いて指を離す。
夜にすごいのされたのに、また朝からあんなふうにされたら自分がどうなっちゃうかわからない──と、 なくなった刺激にとりあえずほっとしたときだった。
油断した私の隙をついて、まだ前にあった手が胸元のシーツを掴んで一気に引っ張る。