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宵闇
第16章 囚われる


さっきまでされてた愛撫と、こうやって見つめられてることでもういっぱいいっぱいの私。
荒い息のまま……涙目のまま、葉月くんの胸元をとんっと叩いた。


「……意地悪……!」


呟くように抗議する。


「っ……手加減、してっ」

「え?」

「だって私が先に……してたのに」


続けた言葉に、葉月くんが小さく吹き出した。


「──なんで笑うのっ……!?」


真面目に言ってるのに──と、また胸元を叩こうと動いた手。
けれど掴まれ、止められた。


「ごめんね?」


笑いながらも優しくそう返されてしまい、そんなふうに謝られたらもう何も言えない、と葉月くんを上目遣いで軽く睨む。


「……もう。全然できなかった」

「気持ちよかったよ?」

「っ……でも……! 手加減、して」


だって──私だって、その……ちゃんとしたい。したかったのに。


「わかった。ごめんね?」


掴まれた腕がそのままシーツに押しつけられ、口づけられる。
唇を押し当てられるだけのそのキスは、角度を変えながら何度も続いた。


「……でも、琴音は感じやすいから」


キスの合間に葉月くんが呟く。


「ちょっと手加減したぐらいじゃあ……無理、じゃない?」


そう言ってまた、ちゅっとしてくる。
楽しそうに口許を緩ませながら。


「……っ、そんなこと……!」


ない──そう続けようとした私の唇はその前に深く捕らえられた。
ねっとりと絡ませられる舌。


「ん! んん……っ」


執拗に口の中を侵され、さっきまでの身体の疼きがあっという間に取り戻されていく。
それを見計らったかのように指先が私の下腹部に伸ばされ、ぬるぬるのままのそこがぴちゃぴちゃと音をたてながら弄られる。


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