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宵闇
第19章 枷
「……待ってて」
彼女から一度離れ、バスルームにあったバスローブを持ってくる。
身体にそれをかけてあげながら、ごめんね、と呟いた。
「……なんで謝るの?」
琴音からの問いに、少しだけ笑って返す。
手をひいてベッドへと連れて行き、座らせた。
バスローブを一度預かり、キャミソールと胸に引っかかったままだった下着を脱がせる。
されるがままの琴音は少し恥ずかしそうに俯いていたけれど、再びバスローブを着せ、そっと軽く口づけるとゆっくりと応じてきた。
「少し、乱暴だったかな……」
唇を離し、ごめん、ともう一度呟いた。
琴音が僕を見て首を振ってくれたことにほっとする。
彼女に背を向けて自分もバスローブへと着替える。
──そのとき。
僕の背中に掛けられた、声。
「何かあった……?」
振り向くと、琴音が心配そうな顔で僕を見ていた。
「え……何もないよ?」
バスローブの腰紐を結びながら彼女の元に近寄り、その左側に座る。
「ごめん。心配させたかな」
彼女の顔を覗き込んで笑みを作りそう告げたものの、琴音の表情は変わらない。
僕をまっすぐに見つめる彼女は、何か言いたそうに見える。
急に、さっきの自分の感情を見透かされたように感じ、たまらず目を逸らしてしまった。