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宵闇
第5章 紅
「琴音、俺たち付き合ってもう3か月経ったじゃん」
部屋でベッドに並んで座ってアルバムを見せてもらっているとき、先輩が私に言ってきた。
「あ──……です、ね」
アルバムから目を離さずに答えると
「もうそろそろいいよな?」
「え?」
何がだろう────?
顔を上げると同時に、先輩の唇が私のそれに触れた。
……キスは、今までだって何度かした。
初めてキスされたのも、ここ。
恥ずかしさに真っ赤になって俯いた私のことを、先輩は「初めて? 可愛い」って言って抱きしめてくれたことを今でもよく覚えてる。
だから、キスじたいは初めてじゃなかったけど──でも。
「んん、っ」
今日は、いつものキスじゃなかった。
私の唇をこじ開けるようにして先輩の舌が入ってくる。
その、ぬるっとした感触に背中がぞわりとした。
──っ! いや……!
咄嗟に胸元を押し、キスから逃れようと試みる。
でも先輩は私の両腕を掴んだまま離してくれない。
「んっ」
そのまま体重をかけられベッドに押し倒された。
だんだん深くなるキスに息が苦しくなり、怖くもなり、懸命に首を振りそれから逃れようと試みる。
「ん! んん……っ、や……!」
抵抗が伝わったのか、先輩が唇を離してくれた。
長いキスからようやく解放され、息を乱しながら先輩を見る。