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宵闇
第5章 紅


しばらくの沈黙のあと、先輩が私に「いやなの?」と聞いてきた。

頭の中がパニックになっていた私は


「……だって、っ……心の準備が────」


そう呟きながら上半身を起こし、乱れた髪を手で整える。


「俺、ずっと我慢してたんだけど」


先輩の直接的な言葉に顔が熱くなる。
火照っている頬にさわりながら


「……っ、でも私、まだそういうのは……」


いつかそうなるのかな、とはなんとなく考えてた。
付き合う=そういうこともあるってちゃんとわかってる。
でも、まだまだ先のことなんだろうとも思ってた。


「琴音だって、そうなんの覚悟して俺の部屋来たんじゃねーの?」


ふるふると首を振る私に


「でも彼氏の部屋あがりこんで、いざとなったら逃げるとか──それ狡くね?」


その、先輩の言葉が突き刺さる。


……私ってそうなの?
これって、ずるいことだったの?
付き合ってる人の部屋に来るってことには、そういう意味も当然のように含まれてたの?
でも、ほんとに私はそこまで考えてなかった。
自分がずるいだなんて、思ってなかった。


黙り込んだ私に、先輩がまた口を開いた。


「……なあいいだろ、琴音」


その意味はもちろんわかる。
でも私は答えることも、かといって逃げることもできず──ただ、頭の中だけが騒がしくて。


どうしよう?
どうしたらいいの────?


そんな言葉ばかりがぐるぐるしていて。


先輩は、私の無言を同意と受け取ったのか──胸元に手を伸ばしてきて制服のリボンを解いた。
え、と戸惑う間もなく、ブラウスのボタンにも手をかけられる。


「……っ、待って!」


ようやく止めようと動き出した私の手など振り払われ、抵抗も虚しくすべてのボタンが外される。


「ね、お願い先輩待って! 
ちゃんと、私……ちゃんと考えるから!」


それまで待って、と訴えた言葉は先輩の耳に届いていないのか、返事はないままで再びベッドに押し倒される。


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