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宵闇
第20章 条件
「──で、おばさんが琴音と話をしにうちに来るってわけね」
「うん」
「私、その日は友達んちに泊めてもらうから、気にしないでゆっくり話しなよー。
おばさんと会うのも久しぶりなんでしょ?」
「ママは私の部屋で話すから加奈がいても大丈夫だって言ってたけど────」
「いいからいいから。なんだったら先輩呼んじゃえばいいじゃん!
……っていうか、どうせ先輩も来るつもりだろうけどねー。
夜とか部屋でゆっくりしたら~?」
そう言ってにやにやと笑う加奈に
「やだもうっ!」
思わず苦笑する。
……でも、確かに。
ママがうちに来ることになった、と葉月くんに伝えたとき、こっちに来るって。うちの近くで待ってるから、ってそう言ってくれた。だからいつでも呼んで、と。
「あ~! なんだろう、なんだか私までどきどきするんだけど!」
私も、ママに家に来る話をされたときから、正直すごく緊張していた。
だって、何て言われるのか全然わからない。
葉月くんの話だと、ママの反応はあんまりいいかんじじゃなかったみたいだし……。
──それでも。
この前は葉月くんが頑張ってくれた。
だから今度は私が頑張らなくちゃ、ってそうも思う。
私がどんなに葉月くんが好きで、必要かを。
どうしても一緒になりたいんだってことを、ママにわかってもらえるようにちゃんと伝えたい────。