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宵闇
第20章 条件

土曜日。
加奈は、結果をすぐに教えてね、と言い残して、本当に友達の家へと泊まりに行ってしまった。
ママが来る予定の時間まであと30分ぐらいになったとき──突然、ドアホンが鳴った。
「うそ! 早くない!?」
そう言いながら、テレビ画面をチェックする。
「──え? 葉月くん?」
慌てて玄関へ行き、ドアを開ける。
そこにはやっぱり葉月くんが立っていた。
「一度、琴音の顔見ておこうと思って」
そう言って、優しい笑顔で私を見る。
「……うん」
その優しさが嬉しくて、顔が自然に笑ってしまった。
「大丈夫?」
「ん……」
葉月くんの服の裾をきゅっと掴んでちょっとだけ甘えると、葉月くんが振り向いて少しあたりを見渡す。
それからそっと囁いた。

