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宵闇
第20章 条件


「琴音が『昨日葉月くんと話したんだよ』って教えてくれてから、ふたりが話してるところを目にすることが多くなって……それまでとは明らかに様子が変わったのがわかったわ。
そんなときよ。葉月くんが『僕たちは大丈夫だから籍を入れてください』って言ってくれたのは」


……そうか。
ママを独り占めできなくなったことを無意識のうちに寂しく思っていたであろう私の態度は、やっぱりいつものそれとは違っていたかもしれない。
それにママは気づいていて。
でも、葉月くんがそんな私の寂しさを引き受けてくれて。甘えさせてくれて。
お父さんのことを教えてくれたり、私もママのことを教えたり──そんなふうに過ごしているうち、私の心にも余裕ができて、ママの再婚をちゃんと祝福できるようになったんだった。


「葉月くんがいなかったら琴音はきっと寂しいままだったわ。
私にも誰にも文句ひとつ言わないで溜め込んで、ひとりでつらくなってたに違いないのよ」

「ママ……」

「だから本当に葉月くんには感謝してるの」

「僕は何も────」


ママはその言葉に少し微笑み、それから続けた。


「……この前、葉月くんが話に来てくれたでしょう?
お父さんみたいにその場で賛成できなかったのは、ふたりが兄妹だからとか……そんな理由が原因じゃないのよ」

「雪乃さん……」

「誰が相手でもきっと私はすぐには賛成できなかった。
……だって、急によ? 急に琴音が結婚だなんて」

「ママ……」

「まだ子供だとばかり思ってたのよ。
結婚だなんて遠い先の話だとばかり──それで、つい動揺したの」


大きく吐かれた息。


「あのあと……冷静になってからいろいろ思ったわ。
……子供だなんて思っていたのは私の方だけで、琴音はいつの間にか大人になっていたってことなのよね……」


そう、続ける。


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