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宵闇
第21章 月影


四人で外で食事をしたあと、ママとお父さんはそのまま家へと帰って行った。


「本当にいいの?」


ふたりを見送ったあと、家に戻った私たち。
玄関に入ると葉月くんがそう聞いてくる。


「うん、よかったら泊まってって?
加奈にさっき電話したら、明日の午後まで帰らないって言うし」


そのとき、結婚を許してもらった報告をしたらすごく喜んでくれて、おまけに『先輩とゆっくりいちゃいちゃしなよ~』なんてことまで言われてしまった。


「……初めてだね」

「え?」


加奈の言葉を思い出しているときに、突然話しかけられて、我に返った私は思わず聞き返す。


「だから──琴音の部屋に泊まるの」


繰り返され、くすっと笑われる。


「あ……そ、だねっ」


なんだか急に恥ずかしくなって、足早に中へと入ろうとすると、腕を葉月くんに掴まれた。


「ひゃっ……!」


そのまま引っ張られ、勢い余って彼の胸元に背中をとん、と預けてしまう形になる。

急に強くなる、大好きな匂い。


「やっとくっつけるね」

「え!?」

「あれ? そう思ってたのって僕だけ?」


ぎゅうっと後ろから抱き締められ


「寂しいなあ」


そんなふうに甘えた声で囁かれて。


「……っ、そんなこと……!」


反論しようとしたら、耳をぺろりと舐められた。
一気に沸き上がったぞくぞく感に、ひっ、と思わず身体が縮こまる。


「可愛い」


耳元で囁かれ、またぎゅうっとされ……がくがくとしてくる足。


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