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宵闇
第21章 月影


「琴音」


答えるように見つめた彼の顔。


「……さわって?」


掴まれた手が、そこへと導かれる。
まだそんなに硬くない触り心地がなんだか不思議だった。


「え。なんか……可愛い?」


ふふっと笑いながら手の中で弄ぶ。
ん……と葉月くんが私の肩に頭をこてん、とくっつけた。

手が、胸へと伸ばされる。
ゆるゆると手のひらを回すようにして撫でられた乳首。
ああ……と、思わずきゅっと手の中のそれを少し強めに握った。
むくりと硬さを主張し始めたことに嬉しくなりそのまま上下に擦ると、だんだんと知っている形へと近づいてくる。

はあっ……と、葉月くんが息を吐きながら、私の硬くなった乳首を指先で摘まんだ。


「あ……!」


びくん、と反応した私の身体。
肩に押しつけられた唇が、そのまま鎖骨へと滑り落ちる。
そこでされたのは、あの、葉月くんのものだというしるしをつけられたときのような強い吸い────。


「……身体中につけたくなる」


顔を離した彼が、私を見つめて言った。


「いいよ……」


思わず答える。


「いいの?」


少し驚いたように聞く葉月くんに頷いて


「……だって私の全部は葉月くんのものだもん」

「────っ……!」


琴音、とたまらなさそうに吐息まじりの声を漏らした彼に強く抱き締められ、重ねられた唇。
一度離され、今度は舌だけを寄せてきたから私も舌を差し出した。
ふたりで、舌先だけをちろちろと絡める。
至近距離で合った目──そのまま激しく合わされた唇。


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