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宵闇
第21章 月影


「そんなの今すぐ無くしてあげるけど」


そう言いながら、最奥を。
抉るような腰使いで。

 
「あ……!」

「いいよ……琴音がいくとここうやって見ててあげる」


ふっ……と浮かべた、色を帯びた微笑み。


「だから僕に集中して?」


下から見上げる、葉月くんのその顔と身体のライン。


ああ……やっぱり、好き────。


胸がきゅんとした。


抱え上げられた足。
そのまま奥深くはいってこられて、声をあげながら仰け反ってしまった身体。
あっという間に高まる、いかないままでいた私のなか。

葉月くんは、容赦なく責めてくる。
私のあったかどうかわからない余裕なんて一瞬で消し飛ぶようなそんな抱き方────。


「あぁぁっ……!」


その与えられる刺激だけ。
それだけで、何もかもがいっぱいになる。
……とろとろに、溶けていくような。
そんな甘くて、抜け出せなくなる快楽────。


頭の中に、さっき見た月の姿が浮かんだ。


あのひかりを集めて。
とろとろに溶かして。
夜の闇にそっと落としてかき混ぜた──そんな、とても濃密な世界。 


この部屋も、どこかそんな濃密さに満ちている。


溶ける。
私の身体が。

葉月くんの手で。
とろとろに、溶かされる────。


……離れるなんて、もうできない。


そう思わされるほど、私の心と身体に葉月くんの存在は、毎日、毎日──そう、これからもずっと。
こうやって、深く刻み込まれていくんだ────。









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