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宵闇
第21章 月影
「あぁっ……!」
身体がびくびくっとして、悲鳴のような声をあげてしまう。
そこがわざと擦れるように私の身体はまた勝手に動いてしまって。
擦れる度、なかがきゅうきゅうと反応してしまって。
「……っ! ちょっと待って……!」
葉月くんは私の腰が勝手に動かないように両手で掴んで強く押さえた。
そして、はあ……と深く息を吐きながら、大きく仰け反る。
「あ」
──そのときだった。
カーテンの合わせ目へと触れた葉月くんの頭。
そこからちらっと見えた外のその光景に私は目を奪われた。
すっ……と手を伸ばしてカーテンをめくる。
「きれい────」
月が大きく見えて。
夜なのに、外はほんのり明るくて。
「……カーテン、開けないで」
ぼうっとそれに見とれていた私に、葉月くんが呟く。
「え……?」
「外から琴音が見られる」
カーテンをめくっていた方の手首が掴まれる。
「見られないよ……」
「だめったらだめ」
手を戻されたことで見えなくなってしまった月。
「……余裕あるね、琴音」
葉月くんはそれを惜しんでいる私をちらっと見て呟き、そのまま仰向けの体勢へと身体を返す。
私を見下ろしてくる、彼のその目────。