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宵闇
第8章 三年後
大学3年を迎える春────。
三人で一緒にお昼をとっているとき、加奈が不意に尋ねてきた。
「ねえ。いったいいつになったら彼氏作んの?」
「……加奈って、時々すごくストレートだよね」
苦笑しながらの返事。
でも、人を傷つけるようなことは決して口にしない、そんな彼女が私は大好きだった。
「ん~。なんていうか、そういうのもう興味なくて」
彼氏という存在は私には必要ない──そう思ってから何年経つだろうか。
「ええー、もったいないなあ~。
琴音かわいいからもてるのに、告られてもすぐ断っちゃうしさー」
「だってひとりの方が楽なんだもん」
「でもあの先輩と別れてもうずいぶん経つよ~?」
……その言葉に、少し胸がざわめいた。