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宵闇
第8章 三年後
「……あ、でもさ」
葉月くんがちょっと真面目な顔をして言った。
「僕とばっかり遊んでいいの? 彼氏とか……大丈夫?」
「……あ、そっか」
私は関係ないけど、葉月くんにはきっと彼女いるよね。
妹だからってあんまり構ってもらうのも、申し訳ないかも。
「でしょ?」
「だよね。葉月くんの彼女に悪いか」
「彼女?」
葉月くんが不思議そうに私を見た。
……あれ? 私、何か変なこと言った?
「彼女って、僕の?
だったらいないから大丈夫だけど」
「え、そうなの? 葉月くん彼女いないんだ!
あ、私も彼氏いないよ?」
そう言うと、葉月くんの目が少し驚いたように見開かれる。
「……それほんと? 琴音ちゃん可愛いのに……」
「葉月くんこそかっこいいのに!」
お互い誉めあってるのがおかしくて、ふたりで笑ってしまった。
「……ま、ふたりともいないなら問題ないか」
「うん、ないない! ないよー!」
葉月くんの言葉に私はそう答え、そのあとも、時間の許す限りたくさんの話をしたのだった。