この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
宵闇
第8章 三年後
「葉月くん、明日ひま?」
「特に予定はないけど」
「じゃあ買い物とかつきあって!」
「買い物? いいよ」
「やったあ!
葉月くんとお出かけなんて久しぶりだねっ」
思わずうきうきしてしまった私を、葉月くんは楽しそうに見てくる。
「……琴音ちゃん。
僕が帰ってきてそんなに嬉しい?」
くす、と笑いながら。
「もちろん! だって四年だよ? ほんと長かったんだから!
……葉月くんあんまり帰ってこなかったし!」
「あー、ごめんごめん」
「その分これからいっぱい構ってもらうんだからねっ」
「はい。覚悟しておきます」
葉月くんのその言葉がおかしくて、また笑ってしまう。